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危険なメソッドのkojikojiのレビュー・感想・評価

危険なメソッド(2011年製作の映画)
3.4
高校生の時、1ヶ月程入院する経験をした。何もすることがなく、本ばかり読んでいた。読むものもなくなり、看護婦さんに買ってきてもらって読んだのがフロイトの「精神分析入門」だった。入院中という異常に神経が研ぎ澄まされていた期間だけに、結構読めて、面白かった。
しかし今思えば何を理解していたかわかったものではない。
この映画にも出てくるが、全て性衝動に結びつける夢判断をして楽しんでいた。

そういうこともあって、フロイトとユングの話に興味はあった。

しかし映画は面白いとは思わなかった。

重度のヒステリー症を患うロシア系ユダヤ人女性ザビーナをドイツ人ユングはフロイトが提唱する“談話療法”で治療するうち彼女の誘惑「転移」を受け入れてしまう。医師と患者の一線を越えてしまった2人は、秘密の情事を重ねる。ユングは貞淑な妻よりも遥かに魅惑的なザビーナとの“危険なメソッド”に囚われ、欲望と罪悪感の狭間で激しく揺れ動く。

フロイトを当初は支持していたユングは次第にその理論に疑いを持ち始め、ついに袂を分つことになる。
映画はこの師弟関係とユングとザビーナの関係を絡ませて描く心理ドラマだ。

一番気になったのが、患者ザビーナ役キーナ・ナイトレイの演技。あれはどうなんだろう。アントニオ猪木のモノマネでもあるまいし。

こんな映画でフロイトやユングの理論もわかるはずはなく、勿論よくわかる人もいるかもしれないが、「転移」という言葉を使っても結局は彼女の魅力に負けてしまったというだけのことでそんな難しく考えなくてもただの不倫じゃないかと冷めた見方もできそうで、結果、私にはいただけない映画だった。

こんな映画を観るのはもうやめる。疲れるだけだ。

2023.02.09視聴63
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