裏打ち呼び込み君

高地戦の裏打ち呼び込み君のレビュー・感想・評価

高地戦(2011年製作の映画)
4.0
初見だと思って観始めたら、タイトルを忘れていただけで2度目(もしかしたら3度目)だった。
映画のなかの惨たらしい死にも、たった2時間で慣れてしまうのだから、実際に2年も戦場にいたら当然のごとく感覚は麻痺するだろう。
一見して冷徹なキャラクターであってもそうなってしまった背景や多面性がしっかり描きこまれているので、戦争がいかにして人心を狂わせていくかということがわかり、生まれつき冷徹なキャラクターを見るよりもなおいっそうおそろしかった。
以前、韓国の友人が最前線に配属されたとき、銃弾が足元で爆ぜて片目を負傷した。そもそもなぜ体力も戦意もなさそうな人をそこに配属するのかと聞くと、友人は「街の警備に回されるのか前線につくのか、それも全部ただの運なんだ。くじ引きと同じだよ」と言った。
自らの希望によらず配属されて戦うことを余儀なくされ、また強いからといって生き残れるわけでもない高地戦の人々を観ながら、友人の言葉を思い出した。