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エル・クランのPのネタバレレビュー・内容・結末

エル・クラン(2015年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

これが実話とは…ひどい話である。ポップなBGMとは対照的にストーリーは暗く、主人公はジワジワと破滅に追い込まれていく。
ラスト、主人公が何とも言えない笑みを浮かべたと思ったら…ちょっとビックリした。
異様な犯罪のシーンと日常的なシーン(父親が箒で家の前掃除してるとことか)が対比的に表される。

主人公はプロのスカウトが挨拶に来るほどの学生ラグビーのスター選手。チームメートからの信頼も篤く、スポーツ店を経営する商才もあり、お客として来た美女を彼女に射止め、まさに順風満帆な人生である。…ある一点を除いては。実は、彼は誘拐グループの一員だったのだ。彼の父親は革命軍のメンバーで、資金調達のために誘拐を繰り返しており、主人公はその片棒を担がされていた。主人公だけでなく、母親や兄弟も加担させられており、犯行は家族ぐるみで行われている状態であった。チームメートの誘拐の手伝いもさせられ、良心の呵責と父からの圧力の狭間で苦しむ主人公。やがて警察の捜査の手が彼らにも及ぶ。

まさに悪魔のような父親。自分の正義を家族に押し付け犯罪に巻き込み、人生を無茶苦茶にした罪は重い。
それにしても、家族の多くは何だかんだ父親を信奉したり言いなりになったりしている。人の心を掌握して制御する能力が高いんだろうか。最後の方、獄中で息子を罵倒して激昂させ、ぼこぼこに殴られるシーン、これわざとそうなるように仕向けたってことだよね???
そして、獄中でちゃっかり司法試験に受かって弁護士になったという衝撃のエピローグ…優秀だったんだろうなあ…。
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