Tさん

SHAME シェイムのTさんのレビュー・感想・評価

SHAME シェイム(2011年製作の映画)
4.6

「私たちは悪い人間じゃない。悪い場所に居ただけ。」


・あらすじ
管理職についている主人公は性依存症だった。
何不自由無い生活をしていた。社会的地位は高く、家を持ち、女性を買う。
彼の元に妹が訪れる。電話で泣きながら誰かと話す妹の声が聞こえて来る。
そんな妹を家に泊める事にする。しかし彼の生活は少しずつ崩れていく。


・感想
素晴らしい作品でした。
性に依存する主人公。愛に依存する妹。

性的暴行を受けていたであろう主人公と妹は唯一の家族だと考えているのでしょう。だがその妹を敬遠している理由はおそらく妹との性行為をした事実があり、目を背けながらも自分を保とうとする感情からだと思います。

ただ性欲のはけ口として女性としている訳ではなく見えるのがすごい。

綺麗な色合いと対比、そして反復で主人公の性行為や妹の自傷行為などが鮮明に写り、綻びが悲しく目を背けたくなります。
また妹と自分の上司が関係を持ったシーンでも怒りを表す様は、自分自身ににも向けた者を感じました。

妹がディナーショーで歌ったシーンはとても印象に残っています。

SHAMEとは虐待によって植え付けられたしがらみ、性、逆らえない本能と受け入れようとする理性の衝突。憎く忌まわしい事をも、適応しようとする人間の合理性が怖くも悲しい。

もう一度見たいが何度も起こる作品でした。
Tさん

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