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SHAME シェイムのtontonのレビュー・感想・評価

SHAME シェイム(2011年製作の映画)
3.7
ニューヨークで順調に仕事をこなす、ブランドン。だが彼はSEX中毒者。
仕事以外を性行為に費やしながらも、日々を順調に過ごしていた。
そんな折、妹のシシーが突然家を訪ねてくる。

といったストーリー

一個一個の映像の美しさに主役の演技が凄い良く、単純に魅力的な映画だった。
過去を否定する事で生きる実感を無くす男の生きる実感としてのSEX、しかも家庭が恵まれておらず全く愛情というもの信じられないため全てが割りきりとしての快楽でないと実感が得られないという。またその事も彼を傷つける。だが彼はSEX以外での癒しが分からない。そのスパイラルはどんどん男をこの街の暗部へとおとしかねないものになっていく話・・・・・だと思うの。
っていうのも全く説明というか、現在の事以外は語らないし描かない。
家庭に恵まれていないんだろうなっていうのも、妻子持ちの自分の上司と寝た妹に怒る時

「あんな変態しらない。」
「その変態と寝たのはお前だろ!」
「そんな事言えた義理なの?!」

っていう会話から
近親相姦してたんだろうなぁー。ってことはSEX中毒だからやっちゃったのかなぁー?

「私たちは悪くない。環境が悪かったの。」

あぁ、家庭がひどくてお互い慰め合ってたんだろうなぁー。

ってとこで妹のリストカット跡のアップ。

あぁリストカットとSEXがリンクするんだろうなぁー。

って、まぁ匂わすカットはあったけど明確に過去を描いたのはこの一瞬だけ。
もう、あとは主人公がSEXしまくったり、会社でオナニーしたりの映像がほとんど。

「んーつまらなくはないけど、イマイチかなぁー。」
と映画館出た後は思った。

だけど今は色々なシーンを思い出しそれぞれの意味合いを考え、それを結び合わせる作業が凄い楽しく。これ良い映画だったかもしれないとさえ思っている。
それも、先にかいた一個一個の映像の美しさと、主人公の演技の良さが、そんな連作の絵画を見るような映画にしたんじゃないかな。
特に予告編にもある、主人公がニューヨークの街中をランニングするシーンは彼のこの街で成功したが、本来失っているモノはなにもみつかってない虚無感と焦燥感を表現した素晴らしい映像だと思う。
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