自由恋愛を標榜するカルト教団に仕えている青年が、政治家の令嬢を教団内に引き入れてしまう。1978年に南米ガイアナで発生した「人民寺院・集団自殺事件」をモチーフにしている、エロティック・サスペンス。濡れ場をカットした、75分の短縮版が存在している。

"シャレにならない大事件をB級エンタメに転換させる"という、映画の正しいカタチを指し示している作品。黒いエマニエルことラウラ・ジェムサーが美貌の教祖役を熱演しており、"頭がイッちゃっている人を映画で観ることの面白さ"を実感することができる。

性の歓びを信者で共有している、ヒッピー・コミューンが物語の舞台。表面上では幸せそうに見えるが、その裏ではカップルへの刑罰、資金調達のための売春など、内部事情が隠されている。（お股も含めて）ユルユルな展開の連続性が、とにかく楽しい。

ラウラのスレンダー・ボディは言わずもがな。女優陣の眩しい裸体が、画面狭しと咲き乱れる。取って付けたようなカラテ要素とか、潜入捜査官役で登場するラウラの夫（ガブリエル・ティンティ）とか、ラブ＆ピースな劇伴とか、見どころは枚挙に暇がない。

エロいカルト教団の映画。ポルノ全力なミッドサマー。