浅野公喜

HATCHET/ハチェットの浅野公喜のレビュー・感想・評価

HATCHET/ハチェット(2006年製作の映画)
3.7
ニューオリンズの沼を観光中のツアー客達が殺人鬼、ヴィクター・クロウリーに襲われるコメディ要素も有りのスラッシャーホラー。マリリン・マンソンが鳴り響く所から2000年代ぽさが。

とは言っても、かつて苛められた森に住む奇形の殺人鬼という設定で80sスラッシャーの「バーニング」を連想。ロバート・イングランド(釣り人役)にケイン・ホッダー(ヴィクターとヴィクターの父役)といった「エルム街」「13金」の二人が出演している所からもその時代の作品へのオマージュが感じられ、体が半分、顔が裂かれる首が一回転ドリルで顎破壊両腕が千切れる等まさに出血大サービスといった気合いが入った歯切れの良い殺戮が楽しめます。ツアー客も面白黒人にツアコン慣れしていないアジア人、胡散臭い映画監督とやたらトップレスになる女優志望二人と個性豊か。2000年代という時代だからか(?)生き残る人間が想像通り、唐突に終わる「13日金」そのまんまなラストは一瞬唖然とすると同時にやや新鮮味に欠けますが80sスラッシャーのブラッシュアップ作品としては「クライモリ」シリーズを凌駕するかもしれない、なかなかの内容だと思いました。

序盤の主役達とつるんでいる仲間の一人に監督であるアダム・グリーンの姿が。上記のロバートとケインの他にも「キャンディマン」のトニー・トッド(この三人が揃った「ウィッシュマスター」なんて作品も有りました)、特殊メイクに力を入れたのにその多くがカットされた「13日の金曜日 PART7/新しい恐怖」を監督し今作でも特殊メイク担当の一人である故ジョン・カール・ビュークラーも出演。
浅野公喜

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