このレビューはネタバレを含みます
とにかくパワフルだった時代の鮮やかな日常が描かれていて、本当に羨ましくなった。
朝目覚めるシーンから始まるのでそのまま物語へ入って行きやすかった。布団からの朝ごはんを作るだけでなく、旗をあげることで何かありそうだなと思わされる。そのまま穏やかな日常が続き、家から海を眺めつつシーンは学校へと移る。そのままもう一本の筋である部室棟・カルチュラタンの存在が示され、日常+1なストーリーが進んでいく。
2人の惹かれ合う描写はぐうの音も出ないほど自然。出生の謎と同時にカルチュラタンの復旧という文化祭的なイベントのとても魅力的なシーンも相まって、ざわつきとワクワクをちょうど良いバランスで繰り返されていたと思う。
作中で混乱の時代だったと語られていたように、ありえなさそうな話でもしっかりあり得そうだと思わされたので良かったと思う。妙にシリアスになるわけでもなく、最初の告白もあっさりでその後のあれこれも2人とも内に秘めつつ冷静に、という態度はとても好感が持てた。穏やかな余韻が響く爽快お掃除ムービー。