沈

コクリコ坂からの沈のレビュー・感想・評価

コクリコ坂から(2011年製作の映画)
4.0
2018.8.23に鑑賞済み。観た記憶あるけど途中からで、理事長に直談判しにいくシーンしか覚えてなくマトモに観たことがなかったので、金曜ロードショー録画して改めて視聴。ジブリ作品の中で1位2位争うくらい好きかもしれない。まずなにより、時代背景がいいですね。若者の情熱と活気、メルちゃんと俊君の関係もとても青春を感じさせる。分かりやすくスッキリしてて登場人物にも悪意のある人がおらず、ストレスなく見れるストーリーだと思ったのですが、戦後の複雑な時代背景で意味不明な箇所が多かったり(実際観てみるとそうでもないような)、かりに兄妹でも好きと告白するシーンで近親相姦を思わせる描写が軽率に気持ち悪い(結局兄妹ではないのですが…)と言われてるみたいで、私はメルちゃんが俊君を異性として勿論意識してるのはそうだけど、純粋に俊くんの人間性が好きという意味も込められてるんだろうなと思って見てたから、叶わざる恋と分かってて告白したメルちゃんがそう批評されてて少し切なくなった。カルチェラタンのデザインや(掃除後も良しですが汚かった方も好き)、下町のゴチャついた通りをセーラー服と学ラン服の生徒が行き交ってる風景、『上を向いて歩こう』が流れてるだけで、言葉ややり取り、ストーリー上だけで計れない良さがあると思います。海ちゃんがメルちゃんと呼ばれている理由、フランス語の海=ラ・メールに因んでおり、あだ名さえもお洒落だなあと羨ましくなりました。
沈