『クワイエット・ファミリー』と同時期、演出がブラックコメディ調という共通点もある韓国ホラー。
監督自らが複数回の鑑賞を推奨した『カル』はまた趣が異なるものの、90年代末~2000年代初頭の韓国ホラーにはいずれにも、「シリアス脚本+ハード演出」という近年作の公式にあてはまらない作風が見受けられて興味深い。
本作のようなタッチは、例えば『探偵なふたり』あたりのコメディ映画に吸収されているようだ。
また中華料理店が舞台ということもあり、香港映画を想起したが、終盤に主人公が見せる執拗さは何とも韓国的。
よく考えると設定はかなり悲惨なのだった。
撮影には勢いがあって動的な印象、舞台的な演出へ的確に対応する役者陣の高い実力も確認できる。