明石です

悪魔の毒々おばあちゃんの明石ですのレビュー・感想・評価

悪魔の毒々おばあちゃん(1988年製作の映画)
3.6
91歳の誕生日に、遺産目当てで集まってきた親族を、なんかよくわからない包みを開けて毒々モンスターと化したお婆ちゃんが残虐な方法で殺害していくお話。

あの『悪魔の毒々モンスター』を生み出した、低予算で過激な作品を手掛けるトロマ社が配給したことでこんな邦題がつけられたベルギーの映画。オープニングクレジットにロイド・カフマンの名前が出ていたので、もしかしたら、、と思ったら、製作自体には関わっていないようで、アメリカ配給時にゴアシーンを大幅に削るファイナルカットの部分にのみ関わった模様。

教会音楽を思わせるバロック調のオルガン演奏をバックに、中世から時が止まっているかのような、城壁に囲まれた古風なベルギーの町並みがしっとりした質感で映し出されるという、それはそれは爽やかなオープニングに、これから何が始まるんだい!!と胸が躍る。

そしてオープニング後は、集まった親戚たちによる下品な言葉と不恰好な罵り合いの応酬が期待を裏切らない勢いで繰り出される笑。とりわけ神父の男が「共産主義者は皆殺しにすべきです!」とか言い出す場面は声出して笑っちゃった。神父の扱いがこんな酷い映画初めて見たかも笑。倫理観はお呼びでないわけですね。

焼けただれた皮膚に鋭い爪という毒々お婆ちゃんの見た目は、完全にフレディクルーガーじゃん!という突っ込みは置いといて、しっかりとトロマな雰囲気のコメディホラーを堪能できて大満足。とくに、1番助かりそうに思えた、清純そうな若い女性や、10歳にも満たない小さな子供が真っ先に惨殺される展開は大好き。

本家トロマの『悪魔の毒々モンスター』に比べると、舞台が古屋敷の中に限定されていて若干展開がワンパターンになりがちなのと、ポストプロダクションで強引にカットされたことが丸わかりなゴアシーン(の残滓)などなど、お婆ちゃんの容姿以外にもツッコミどころ満載だけど、これはこれで楽しい映画なのでした。
明石です

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