20歳の若者の命が、一通の召集令状で散りゆくまでを描いた、悲痛な戦争映画。実写フィルムを交えて過酷な戦場に駆り出される若者。
大毎地下にて。

あ

78年公開当時、既に伝説化していたが、公開劇場は少なく、そのままマイ伝説の映画になっていた。今回、初鑑賞。

舞台はノルマンディー上陸作戦。

上陸すら叶わず、最初の犠牲者となる兵士が主人公。

大半が、記録映像であり、撮影部分も70年代の映画とはとても思えないが、かえって寂寥感が強く伝わる。

記録映像のモンタージュで、戦況、その他全般を説明するスタイル。

主人公を捉えて離さない、繰り返す死と恋のイメージは、地味ながらもインパクトあり。
バルハラの天使を幻視するようなラストは、見事。

「ジョニーは戦場に行った」のような強烈な話では無い分、リアル。

消え去った時代と、消え去った者の想いが切り取られ、封印されたかのような、まるで琥珀に囚われたような固着感。

撮られる事の無かった反戦映画を、当時風に撮る、
そんなところを狙ったのかもしれない。

ちなみに撮影は、2001年、時計仕掛け、バリーリンドンのジョン・オルコットが、30年代のレンズを使い撮影したとの事。

クラシックムービーを観るつもりで臨まないと、肩透かしを喰らうので、要注意。

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