ポケ文太郎

復讐鬼のポケ文太郎のレビュー・感想・評価

復讐鬼(1950年製作の映画)
4.5
1950年 アメリカ🇺🇸
ジョセフ・L・マンキーウィッツ監督作品
人種差別を描いたサスペンス映画

シドニー・ポワチエの長編映画デビュー作品です

郡立病院初の黒人医師ルーサー・ブルックスは刑務所病棟を担当
そこへ警察に撃たれた白人の兄弟強盗犯が運び込まれた
弟の体調がおかしかった為、腰椎穿刺を行ったところ、その弟は死亡してしまった
兄は黒人医師が弟を殺したと思い込み、そこから大きな事件へと発展していく

1950年に本作が制作された事に驚きます
まだ有色人種の一般公共施設の利用を制限した「ジム・クロウ法」がまかり通っていた時代です
やはり劇中、黒人医師には治療されたくない!という露骨な描写はあります

治療を受けた白人の強盗犯はもともと黒人嫌いなうえに労働者階級が住むエリアの出身
この頃空ホワイト・トラッシュはいたんですね
この白人クズ野郎役がリチャード・ウィドマーク
彼の下品な(失礼🙇‍♂️)声の感じが役にピッタリ合ってました

新人黒人医師役は当然シドニー・ポワチエ
彼の理解ある上司医師役にスティーブン・マクナリー

大きな事件へと発展していく過程で白人の仲間たちが黒人へ向けて放つ言葉の数々が酷いのですが、それは今の時代の差別主義的な方々の発言と大差無いのがもっと怖いです

ラストのブルックス医師の決断は?!

最後のR・ウィドマークのセリフがなんだか悲壮感がありました

あくまでも「白人」が理想とする黒人像ではありますが、時代を考えるとやはり凄い作品だと思います




本作はどう見ても何度見てもS・ポワチエが主演にみえるのですが名前のクレジットは後の方です
彼の家族役の黒人俳優にいたってはクレジットすらありません
…結構大事な役のはずなんですけどね
ポケ文太郎

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