ネタバレあります
えっ、これ傑作なのでは!? 1950年公開の人種問題を扱ったサスペンスノワール。『復讐鬼』って邦題は安っぽいけど、原題の『NO WAY OUT』は本作のテーマを的確に表していて、主演は優秀で誠実な黒人医師役のポワチエという事になってはいるものの、物語の真の主人公はリチャード・ウィドマーク演じる自己破壊型のチンピラレイシスト。実に憎々しいクズが最後に見せる絶望的な慟哭。素晴らしい熱演!名優ってやっぱり若い頃から非凡なんだなあ。社会全体がマイノリティへの理解・支援、アファーマティブアクションに傾倒するなかで困窮するマジョリティがヘイトを募らせると言う非常に今日的な問題と同質で見応えがある。脚本はよく練り込まれているし、撮影も素晴らしい。ヒロインのリンダ・ダーネルの深みのある芝居と美貌も強く印象に残る。106分。