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朴さん
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『朴さん』に投稿された感想・評価

3.5
「朴さん」

本作はキム・ヨンスの原作"パクソバン"をカン・デジンが一九六〇年に監督した白黒一三七分映画で、この度念願のVHSを大分のショップで見つけて購入して初鑑賞したが素晴らしい。どうやらこの映画の制作者の李華龍(イ・ファリョン)は暴力団から映画制作者に転職したそうで、六一年年の五.一六軍事クーデター後の軍による全国一斉暴力団狩りにて摘発されてしまい、革命裁判所で死刑を宣告されたとか…。釜日映画賞では主演男優賞にキム・ジンギュ、アジア・太平洋映画祭の男優主演賞にはキム・スンホがそれぞれ輝いた。

さて、物語は三人の子供を持つオンドル職人の朴さんは、友人から長女が評判の悪い男とデートしていたと聞き、激怒。一方、長男と次女にも恋人がいた。自慢の長男の縁談に大喜びの朴さんだったが、結婚を機に海外勤務の話が持ち上がる。また次女の恋人は両家の跡取りだが、オンドル職人を蔑む親戚が親代わりだった…と簡単に説明するとこんな感じで、昔気質の父親が巻き起こす事件の数々を爆笑ホームドラマに仕立てた名作で、「シュリ」「八月のクリスマス」のハン・ソッキュが最も尊敬する俳優にあげるキム・ヌンホの代表作としても有名だ。適齢期の子供たちの縁談話に右往左往する韓国親父気質を描き尽くす爆笑ムービーで、本作は第八回アジア映画祭主演男優賞受賞している。

冒頭のシーンから、へんてこなコメディチックな音楽と共に、労働する主人公の男性が登場するのだが、韓国の街角は非常に地盤が悪く、水桶と天秤棒の水汲みの苦労がうかがえるファースト・ショットになっている。水汲みと言えば新藤兼人監督の「裸の島」が真っ先に頭によぎる。朴槿恵政権の時に告げ口外交と非難されていたが、この映画でも告げ口によって父と娘の間に危機が訪れる。父親の承諾を得ずに男と唇を交わしたと言うことによって、娘の足をへし折ろうとする父親の姿とか恐ろしすぎる。しかも唇を交わしただけであばずれ扱いだから尊厳も権利なんてない…。やはり韓国では圧倒的に女性の地位が弱く男性社会だなと思った。そもそも男性の戸籍に入れず、苗字を女性は与えられないと言うから家族ではあるが、家族ではない…そんな奇妙な生活耐えられん。だが、この映画ではハッピーエンドで終わるためなんだかんだこの時代の良い韓国家族映画の大団円だと思う。
3.6
Korean classic filmにて鑑賞。
朴さんというオンドル職人の三人の子どもがいる、その家族を巡るホームコメディ。

製薬会社で働く自慢の息子がいるが、長女はチンピラで更正しようとしている恋人と次女は勤め先の旅行会社でタイピストとして働き同僚のお金持ちの坊っちゃんが恋人がいてそれぞれ結婚を認めさせようとするが、朴さんはこれが不満。娘たちの交際を認めようとしない頑固さで、悶着が起きる。

一方長男の恋人との結婚話には無条件で喜ぶのだが、この朴さんの息子への偏愛ぶりが常軌を逸して異常、この辺りは韓国社会の男系家父長社会ゆえなのかと奇異に感じる。
ところがその長男がタイへ海外赴任の話が持ち上がったり、次女の交際相手のお坊っちゃんを交際相手と認めたら、今度はお坊っちゃんの叔母から身分違いを侮辱されたりと、心は千々に乱れて云々とそんな物語。

1960年当時の韓国の家族感や素朴な人間関係など垣間見えてなかなか面白かった。
何より朴さんを演じたキム・スンホを眺めるだけで価値がある佳作。