不気味なものは好きだが驚くことは嫌いなので、ホラーというジャンルが得意ではなかったが、ビックリ要素がなくジワジワと怖いという話だったので緊張しつつ視聴。
それ自体に偽りはなく、まずそこは良かった。
ドキュメンタリー風の映像を繋ぎ、徐々に事実が明らかになるという作りなのだが、立ち上がってくる真相の一つ一つはそれほど伏線などがなかったため、点と点が繋がった瞬間の快感や鳥肌が立つ感覚を期待していた身としてはやや肩透かしを食らった気分だった。
ドキュメンタリーらしさを壊さないための配慮は感じ、そこに好感は覚えたが。
中盤、今まで見てきた映像と作中人物の一人である一家の息子との間のある事実が明らかになるが、あのくだりの必要性が自分には全くわからない。話が散らかっただけではないか。
話の散らかり具合がドキュメンタリーらしさだと言われると返す言葉がないけれど。
話のまとめ方は良かった。特に母子のカウンセリングが共鳴しあうシーンは良い。
残念ながらこの作品はあまり刺さらなかったものの、作品の傾向は間違いなく好みの部類だった。こういった方向性のホラーが増えてくれれば嬉しい。
