JackBurton

アメリカン・グラフィティ2のJackBurtonのレビュー・感想・評価

5.0
まさに青年から大人になった登場人物を通してアメリカの歴史を描いている。
アメリカングラフィティ1作目が青春で希望や栄光だとすると、この2作目はベトナム戦争の泥沼化やヒッピー文化など退廃や挫折であろう。
1作目では誰しも無邪気な青年であったが、2作目では大人になり1作目のような青春は過ぎ去って現実が突きつけられる。
時代が変わるが彼等の個性が変わっていない所が良かった。

4つの大晦日毎に画面の大きさが変わるなど面白い手法が使われていたり(特に1965年のテリーがベトナム戦争で従軍している映像が、ドキュメンタリー風になっているところが凄く良い)と実験的要素も含まれている。最近だとウェイブスがこの手法を取り入れていたが、それを何十年も前にやっちゃってるのが凄い!
ラストで彼等が同じ曲を聴くシーンは、違う場所にいても友情で繋がっている事を表しているようだった。

ジョンミルナーだけは成功を収めて散ったと言って良いかもしれない。諦めずレースを続けた結果、ライバルまで味方につけ勝利を勝ち取ったのだから。前回ラストから分かっていた事ではあるけれど、それでも彼には死んで欲しくなかった。あとテリーはMIAなわけだけど、エンドロール後に生きていて帰ってきましたみたいなシーンあっても良かったんじゃないかな(それだとおとぎ話になってしまうが)
当時のリアルな感じを表現していて素晴らしいと思う。2作併せて最高である。(音楽も含め)
JackBurton

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