浅野公喜

テラー・アイズ/恐るべき瞳の浅野公喜のレビュー・感想・評価

3.7
ヘルメット姿の殺人鬼が次々と女子大生達を襲い首を切断していくレイチェル・ウォード主演の80sスラッシャー。  

首を切断する直接的な描写は無く犯人の殺人の動機がいまいち腑に落ちなかったり、報いこそ受けるものの野放しな展開は気になりましたが毎回首が事件現場の近くの何処かに隠されており、水族館やレストランといった場所を活かした一部ミスリードも含む隠し場所は驚きや気持ち悪さが混在。

また、殺人鬼の正体もある場所のある物をよく観れば想像つくもののスラッシャー系では意外な人物だったり、男性の不誠実さも描きつつ「サイコ」のオマージュ的シャワーシーンやお湯が血のように赤く染まる石鹸を肌に塗る変態プレイ、観方によってはコミカルなエンディングも有ったりと評価は低めながらなかなか楽しめる魅力的な作品でした。

金網をナイフでカンカンと叩き煽ったり、ストーカーから逃げた直後に柵越しから犬に吠えられるベタなお約束、シンプルなフレーズながら物悲しさを感じるピアノメインのBGMや公園によくある、ぐるぐる回る遊具が加速する中ナイフを差し出されて殺される序盤の殺人も印象的。殺人鬼のビジュアルや舞台となるボストンのヨーロッパ的な街並みも相俟ってスラッシャーというよりジャーロと形容してもよさそうな雰囲気も魅力かもしれません。刑事が乗るBMWの初代3シリーズは人によっては懐かしい(?)
浅野公喜

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