テロリストに家族を殺された男が復讐していく、ブロンソン映画でよく見る構成だが、その復讐鬼をハゲぎみで太りきったオッサン、ジョージ・ケネディが死に物狂いで演じているので生々しさがハンパない。なかなか物語に火が付かずモヤモヤするが、テロリストが占拠するスーパーマーケットに車ごと突っ込むケネディもろとも「映画」が爆発するラスト5分は最高の血と暴力。ビデオだと字幕が一気に三行出たりもする適当さもヤバい。皆殺しにする映画に外れなし。

台詞でしか物語が転じない大半はかったるくてウンザリするがその分スーパーで繰り広げられる射殺の嵐は前のめりになる。倒れ方のしつこさが良く、倒れた先のドアの向こうに段ボールの山があったり、無駄に棚上の商品を崩したり、弾着よりもその後のアクションで効果を与えるのがフィルム・ノワールっぽい手癖なのかもなと。

テロリストに妻子を殺されたコンピュータ技師のジョージ・ケネディが、コンピュータで彼らの犯行を予測し、復讐する。ドミトリク最後の作品。
新宿グランドオデヲンにて。