ろくすそるす

反撃/真夜中の処刑ゲームのろくすそるすのネタバレレビュー・内容・結末

反撃/真夜中の処刑ゲーム(1983年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

淀川長治も絶賛したと言われている密室サスペンス・アクションの大傑作。テーマとしては、カーペンター『要塞警察』の姉妹編的作品。

ストによって警察の機能しなくなった街。
ゲイバーを襲った差別主義者の自警団は店内にいる人間たちを惨殺。逃走に成功した唯一の生き残りの男は、駆け込んだ先のアパートに籠城する。彼を匿った盲学校の教師夫妻と生徒、隣人の青年が、男の命を狙うしつこい自警団の連中の襲撃を迎え撃ち、返り討ちにしていく……。

自警団よりも一般市民の方が、実は自警のプロだったというところが見どころ。
サイレンサー付きの銃を持った危険な自警団に、なけなしの手持ちの武器で応戦する面々。隣のビルから、サーモグラフィを取り付けた銃で狙撃手が狙ってきたりと激しい攻防が、眠った街の静かな暗闇の中で展開される不気味さ。仲間が静かに消されてゆくのもなんとも怖い。ロベール・アンリコ『追想』の復讐部分とかにも似た隠し部屋の利用と罠の工作も楽しい。盲学校の生徒が音で敵情を察知して報告する活躍も秀逸。

ラストもゾッとする非常に巧い終わり方で、ムダのない映画。