かんかん

縞模様のパジャマの少年のかんかんのネタバレレビュー・内容・結末

縞模様のパジャマの少年(2008年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

1週間前に見たけれど余裕でまだ余韻に浸れるくらい心に残った作品でもあり、大好きな作品でもある。
進撃の巨人に通じるものを感じた。逆らえない環境下の中、みんな必死で自分を生きている。地位を守ることは家族を守ることに繋がる。だから仕方なく敵国の人間を殺しているお父さん。夫が敵国といえど、人殺しを行っていることを知った妻。父の部下はブルーノを冷たくあしらっている。だけどそれは自分の実の父のしたことは国に反すること、それがいつか国の上層部にばれ、前線に行かねばならなくなるということを知っていたから努力もなしに地位を護られているブルーノに嫉妬していたからだと思う。誰も悪くない。ブルーノはシュメールを裏切った時もあったけれど、子供とはいえ敵国の人間と仲良くしたらどうなるか知っていたんだと思うし、父の部下の圧にいたたまれず、本当のことを言えなかったんだと思う。
この映画のひとつの救い所はフィクションであること、とレビューしている人が何人かいたけれどこの映画はフィクションだけれどこの映画に近しいことが行われていたのは事実。とてもむごくて苦しくて人間の出来ることでは無いなと思った。どんなに小さい子供でさえ慈悲を与えない。これがリアルだと感じた。変なハッピーエンドより現実味を帯びていて好きな作品。