すず

縞模様のパジャマの少年のすずのネタバレレビュー・内容・結末

縞模様のパジャマの少年(2008年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

こんなにも辛いバッドエンドは初めて。
パジャマに着替えて柵を越えた時点から見るのをやめたくなるくらい辛かった。
どうか生きてて欲しい、可愛そう。最初は主人公であるブルーノに対してそう思ったけど、そこにいたユダヤ人全員も同じであることに気付いてはっとした。

一瞬にして命が奪われる。ナチスが人々を扇動して行ったことがいかに酷いことだったかが痛いくらいに伝わってくる。

ブルーノの母親みたいな人はドイツに沢山いたと思うし、ほとんどの人が実際に収容所で何が行われてるのか知らなかったんだと思う。でもあの家庭教師みたいに、どんどん人々を洗脳するかのように教育して、挙げ句の果てに、みんながヒトラーの演説に熱狂していってしまったんだろうなあ。

凄く印象的だったのが、家にいる人たち全員で食事するシーン。恐らく中尉の父親はドイツからどこかへ亡命してたんだろうけど、スイスに行ったとしか言えない状況、ユダヤ人に八当たりするも止めない父、それを黙って見つめるしかない家族、、、ここにあの時代の恐ろしさと窮屈さが現れてたように感じた。


大人が目を背けようとしてるところを子供は純粋に見てる。
私たち鑑賞者も、この辛いラストから目を背けずに、歴史を学び、その事実と向き合うべきだっていうメッセージがあるように感じた。
すず

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