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ベトナム激戦史1967 〜攻防ケサン基地〜のtheocatsのレビュー・感想・評価

2.0
ネタバレ
北ベトナム側の戦争史観。ある郵便兵の物語

どうやらベトナム861高地という重要拠点を巡る攻防。北側が占拠していたものの南側の攻勢に押され敗退寸前。
無線も使えなくなり音信不通。そこで後方部隊が「増援を送るから何とか持ちこたえろ!!」という手紙を861守備隊に送ることになる。その任務をつかさどるのがベテラン配達兵と新人兵士。その新人は何かと反抗的で配達業務を見下し、ブービートラップが多数仕込まれたジャングルを歩く際も全く不注意・気力散漫。果たして彼らは無事861高地に手紙を届けることが出来るのか?・・・という物語。




あらすじをよく読まなかったので最初は主人公がどちら側に属するのかはっきり分からなかった。なんとなく北側メインの話だろうと察しは付いたが。

映画の出来としては非常に素朴。2005年作なのでドイモイ政策後十数年、経済が安定化していた頃と推測され、商業映画としての他に国威発揚的側面もあったのかもしれない。

北ベトナム側視点の為、米軍主導南ベトナム側は当然悪。とはいっても彼らの村人惨殺行為などはなく、唯一ジャングル裸族を無意味に殺害した場面あり。
その殺害された父親の息子が先の郵便兵救助に大活躍する等、現住部族に配慮したような場面も。

郵便兵たちの絶体絶命の場面も多数織り込みながらもどうにか二人ともに861高地に到着。指令の手紙も無事届け終わる。←その後861高地を逆転死守したのかどうか見落としてしまったかもしれない。

ひとまず任務も終了し新人兵士は田舎に帰還したのだが・・・抑制された悲哀とでも言える場面で〆となる。


総評としては二つ星。及第点とすることはできなかったが、米国製ベトナム物ばかり見ている人間も気が向いたら本作も悪くないかも。それほど激しいバイオレンスもないし、罪なき民間人を殺しまくる狂った米兵を見なくてもいいのはやはり気が楽。
※ジャングル裸族を殺害したのは地元兵か米兵かちょっと区別がつかなかった。

002008
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