爆裂BOX

ゾンビ・ザ・リターンの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ゾンビ・ザ・リターン(1999年製作の映画)
3.7
廃病院でゾンビ映画を撮影していた学生グループは棺のような形をした奇妙な装置と死体を発見する。死体と装置を撮影に使う事にした彼らだったが、装置を起動するとともに死体に生命が宿りゾンビと化し…というストーリー。
廃墟でゾンビ映画を撮影していた学生たちが蘇ったゾンビに襲われるゾンビホラーです。監督のデイヴ・パーカーは「ハウス・オブ・ザ・デッド」の脚本を担当した人ですね。
発見した死体はこの装置を開発した研究者でゾンビに殺されており、復活した後はボスゾンビとしてゾンビを率いて学生達を襲っていきます。とにかく監督や製作者のゾンビ愛が炸裂した作品になっており、ロメロやサビーニ、カーペンターやライミの名前を登場人物の会話に混ぜたり、墓石に「ルチオ・フルチ」の名前掘ってあったり、「ヘルレイザー」のパズル・ボックス机の上に置いてたり、ボスゾンビの側近みたいに登場する二体のゾンビも「ヘルレイザー」のセノバイドっぽいけど、ハゲて白い方は「サンゲリア」冒頭に登場するデブゾンビと背の高い方のゾンビは「ビヨンド」のシュヴァイクゾンビのオマージュかな?身動きの取れない女ゾンビに質問する所は「バタリアン」のオバンバのオマージュかな。女ゾンビの両目に指突っ込んで目潰ししたりもします。とにかく全編通してオマージュ捧げまくりで、これにニヤリとするか煩わしいと感じるかは人それぞれですね。
主人公である監督のデイヴは、見つけた死体を警察に通報したら撮影中止になるかもしれないからそのまま撮影に使おうと考える中々イカレタ発想の持ち主で元凶ともいえる。デイヴの姉で主演女優気取りでわがままなニッキーや妹で常識人のシェリー、シェリーに恋する特殊メイクのポールやゴスッ娘っぽい特殊メイク助手のトパーズ等登場人物も皆それなりにキャラ立ってたかな。地味に質問多いゾンビ俳優マーカス好き。退場のタイミングとかちょっと意外な所あるのも面白かった。特に最後まで残るヒロインあの人とは…シェリー常識人でそれなりに可愛いあの人がヒロインと思ったのに。
登場するゾンビはノロノロゾンビっぽいけど、墓場で戦う所はやたらと機敏に殴ったり避けたりしてたな。後、普通にこのゾンビは喋ったり知性あるみたいですね「バタリアン」みたいに。パンチで腹貫通して内蔵掴んで引きずったり、首の肉噛み割かれたりとグロ描写はちょっとあるけどお食事シーンはほぼないかな。
「ショーン・オブ・ザ・デッド」や「ウォーキング・デッド」より前にゾンビのふりしてゾンビの彷徨う中を突破する描写があるのはちょっと驚き。こちらではゾンビメイクして突破します。
ラストは「ビヨンド」と台詞は「サンゲリア2」のラストの台詞オマージュかな?あの装置は死体生き返らせるというより地獄の扉開く装置かな?ボスゾンビもそんな様なこと言ってたし。冥府?っぽい景色の中に「サンゲリア」のミミズゾンビの顔の岩があるのはちょっとウケた。
ゾンビ映画大好きで、オマージュ満載の作風ありな人なら楽しめる作品だと思います。日本ではVHSしか出てないけどこれは流石にDVDにはならないか。