荊冠

最後の人の荊冠のレビュー・感想・評価

最後の人(1924年製作の映画)
4.0
ノスフェラトゥから2年後のムルナウ作品。
映像の革新性はそこまでないが、老人の行く末の悲哀が本作を名作たらしめている。
後付けのハッピーエンドは確かに蛇足だったが、本来のエンドがあまりに悲しすぎて、「こういうifがあったらいいね」的な気持ちで後付けエンドを見ると救われる自分がいた。
また斬新さは薄いものの、例えば結婚式の後に窓の外でトランペットを吹いている男からカメラがズームアウトしたり、寄っている老人の背後がグルグル回ったり、老人を笑う女性の顔が伸びていたり、映像的に面白いところもいくつかありはした。
衣笠監督はこれら影響を受けて1926年『狂った一頁』を作ったわけだ。
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