1917年、ニューオーリンズでカジノを経営するニック(アーテュロ・デ・コルドヴァ)はオペラ歌手志望のメラリー(ドロシー・パトリック)と出会う。2人は恋に落ち、彼女は店でラグタイムやブルースに魅せられるが、クラシック以外を認めない人々の企みよって店は潰されニックは追放される。やがてニックはシカゴから全米にブルースを普及させ、メラリーはオペラで成功し、2人は再会することになる。
最高の音楽映画のひとつ。
オペラとクラシックに対して、ラグタイム、ブルース、そしてジャズがいかに蔑まれながらも広まっていったかを見ることができる。
そんな新興のジャンルの間でも、リチャード・ヘイジマン扮する伴奏者がラグタイムを弾きながら、ジャズ的に自由に音階を創るサッチモを諭したりして微妙に笑わせる。
とっても魅力的なヒロイン、ドロシー・パトリックに対して、ニックがいかにも魅力薄だし、黒人が “使われる側” という描写はかなり露骨。ストーリー的には序盤のワクワクから終盤までが平坦で間延びしてるものの、それを吹き飛ばすくらいの音楽の素晴らしさに圧倒される!
サッチモの演奏とビリー・ホリデイの歌が聴けるだけでも至福だし、何度も登場するクラブのバンド演奏はもちろん、ジャンルを超えた最後のステージは圧巻!
ルイ・アームストロングとビリー・ホリデイ、ウッディ・ハーマンに、知らなかったがどうやら超大物らしいミード・ルクス・ルイスにクラリネットのバーニー・ビガードと、その豪華さが作品を引き立てているのは間違いない。