燕鷲

くまのアーネストおじさんとセレスティーヌの燕鷲のレビュー・感想・評価

2.5
例えば、あのお菓子屋と歯のショップをこれ以上にないほど守銭奴的な考え方で経営しているクマの夫妻。
この映画では彼ら(マッチポンプでやりたい放題な資本主義を象徴する某国)のことを類型的な“あくどい商売人”として配置しているわけだけど、果たしてあの一家が被った甚大な被害について作り手が少しでも慮るような描写はあっただろうか。

それに比べ、窃盗、不法侵入、器物損壊、道交法違反等、他者に(仕方なかったとは言え)結構な迷惑をかけていたはずのセレスティーヌとアーネストが、何のお咎めも無く解放されるという結末にはイマイチ共感できなかった。
何よりも、異なる二つの共同体が互いを尊重し合うこと、共生を維持することのリスクや困難さについて、もう一歩踏み込んでほしかったと思う。
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