MasaichiYaguchi

神弓 KAMIYUMIのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

神弓 KAMIYUMI(2011年製作の映画)
3.4
東京オリンピック、アーチェリーの男子団体で、日本は3位決定戦でオランダに同点からのシュートオフの末、5対4で勝ち、銅メダルを獲得したが、この種目で日本がメダルを獲得するのは初めて。
不規則に吹く風の中で70メートル先の的をねらうアーチェリー、勝敗を分けるのは僅か数センチの差でしかない。
本作は、ギリギリの命の駆け引きのなか、多人数対射手一人の闘いを描いている。
映画は、清の兵隊が朝鮮に攻め入った「丙子の乱」という歴史上の戦いを背景に展開していく。
この戦争で、結婚式当日に花嫁である妹が清の兵に連れ去られ、捕虜になったのを救い出す為に、兄である主人公は、唯一の武器である「神弓」一つで、清の大軍に一人で挑んでいく。
勿論、多勢に無勢なので、戦法はゲリラ戦となる。
和弓でもアーチェリーでもやったことのある人は分かると思うが、弓の形状や重さ、弦の張り方によって、矢の飛ぶ速度も強さも変わる。
主人公の「神弓」は、ハイスピードの矢が放てるタイプであり、敵である清軍の将軍が使う弓は重くて、破壊力のある矢を放てるタイプになっている。
本作の終盤では、清の精鋭部隊と主人公との息詰まる弓対弓の闘いである。
一見、弓矢は銃器と比べると原始的に見えるが、映画「ランボー」を観てもらうと分かるが、ゲリラ戦において弓矢は絶大な威力を発揮する。
幼い頃、逆賊として目の前で父が殺されても、どうしようもなかった主人公が、最愛の妹を弓一つで守れたかどうかは、本編をご覧ください。
本作や東京オリンピックでの日本選手の活躍で、改めてアーチェリーをやってみたくなりました。