もこもも

チャーリング・クロス街84番地のもこもものレビュー・感想・評価

4.3
NYに住む女流作家・ヘレーヌとイギリスの古書店の主人・フランクの文通による長年の交友を描いた作品

これ、大好き...
文通での人との繋がりによる
優しさ、温かさが胸に染み渡る
ウィットに富んだ文通のやり取り、
お洒落で美しいサウンドトラック、
温かい人々の繋がりなどからなる
作品の雰囲気にめちゃめちゃ惹かれた
ヘレーヌもフランクも周りの人々も
みんなみんな優しくて温かくて大好き

これが実話なことがより素敵
長年に渡って文通が続くことや、
ヘレーヌが古書店のみんなに食料を
送ったりなど心温まるシーンもあれば、
フランクが亡くなってから
ヘレーヌがフランクの古書店を訪れたり、
亡くなったり、辞めたりなどで
文通を始めた時の古書店の従業員が
いなくなっていったりなど
人生ってそうよねって思えるシーンも多々あって
様々な面で実話ってことに心揺さぶられた

「あなたは私を理解してくれる唯一の人よ」

相手からの手紙が届いたことに喜ぶ
2人の姿にめっちゃほっこりする
フランク側はフランクだけでなく
従業員みんながヘレーヌからの手紙に
喜ぶのもめちゃめちゃ微笑ましい
戴冠式でヘレーヌがイギリスに来ると
手紙で知らされた時の喜びを思うと
来なくなった時のフランクをはじめとする
従業員みんなの悲しみに胸を痛めた
フランクは以降もずっとヘレーヌと会うことを
願っていたから、ほんま実現してほしかったな...
2人がカメラ目線で文通の内容を
語り合うシーンも好きで、
観てる時はただただ素敵なシーンって
思ってたけど観終わってから振り返ると
これが作中での最後のやり取りになったことに
切ない余韻を感じさせられた

何気ないシーンやけどヘレーヌが部屋の窓に
寄りかかってキスする若者を眺めるシーン好き
あとエリザベス女王の戴冠式のシーンは
みんなの熱心な眼差しや姿勢から
女王への深い敬愛が伝わって印象残った
イギリスとアメリカのそれぞれの国の状況も
描かれてて初めて知ることも多かったな

本も人もない空っぽの古書店での
ヘレーヌのラストのセリフは
切なさや哀しみ、喜びや幸せなど
様々な感情が入り混じり、胸を熱くさせられた

「フランキー、やっと来たわ」
もこもも

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