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沈黙の戦場のmhのレビュー・感想・評価

沈黙の戦場(2007年製作の映画)
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表面的には戦場に出る幽霊についての話なんだけど、同時にユーゴスラビアの歴史を端的に物語ってもいる戦争もの。
五十年前――チトー将軍が平定する前のユーゴスラビア。
ウスタシャ(ナチスドイツの支援を受けてるファシズム勢力)と敵対する勢力(ムスリムとチトー率いるパルチザン、それとチェトニク)の殺し合い。
現在――チトー大統領亡き後の内戦状態のユーゴスラビア。
クロアチア人とセルビア人、そしてムスリム勢力が五十年前の因縁そのままに隣人同士で殺しあった。
ふたつのタイムラインが戦場の緊迫感とそれに伴う心神耗弱でだんだんわけわかんなくなってごっちゃになる→幽霊が現れるという仕掛けで、びっくりすることにうまくいってる。
ときをつなぐたばこケース、全滅(という認識でいいのかな?)エンドがまたうまい。
ストーリーらしいストーリーはないんだけど、緊張感あふれる展開で90分アッという間でした。
面白かった!
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