このレビューはネタバレを含みます
アキ・カウリスマキ「枯れ葉」でジムジャームッシュ「デッド・ドント・ダイ」を見た観客が「ブレッソンの「田舎司祭の日記」みたいだった」「いーやゴダールの「はなればなれに」だろ」と言って別れるなんとも滑稽なシーンがあり、気になっていたので見た。
タイトルの通り、田舎に赴任された不健康な若い司祭の日記をたどるようにして物語が進んで行くのだが、日記という形態を取っているためか言葉のための映画という印象を受けた。
内容は全く異なるが空気感がカミュの『異邦人』に近いように感じられて、これはフランスの1940~50年代の空気感なのだろうか。
ラストの健康的な若者と不健康な友人との対比が印象的で、メタファとして解釈した。結局健康への親しみはありつつも友人にはなれない、最後に見取るのは不健康な友人。
信仰に関する諸々は寡聞にしてあまり理解できなかった。