真魚八重子

さらば愛しき女よの真魚八重子のレビュー・感想・評価

さらば愛しき女よ(1975年製作の映画)
4.0
あー、いい。いい湯加減。このくらいの映画が観たい。キリキリしすぎてたり、文学的すぎてなんだかよくわからなかったりしない、適度に説明して、適度に映像で見せてくれる映画がラクだ。
ロバート・ミッチャムも余裕があって良いし、ちょこちょこ出てくるハリー・ディーン・スタントンや、殺し屋の中にジョー・スピネルがいると、自分の寝床に帰ってきたって気がするよね。『マニアック』とか好きで育ってるから。スタローンもいるし。
『ザ・ヤクザ』で健さんとミッチャムの緩急について書いたけど、ここではシャーロット・ランプリング。綺麗な代わり優しさ皆無で、この冷酷無慈悲な骨皮な容姿と、ミッチャムの緩さがまた極端で良いバランスなんですよね。
わりとネオンを写した時のギトギトした色合いとか、わかりやすいカメラワークも疲れない。ストーリーも、まあ古い話だから謎というほどの謎もない、探している女はいずれ成り上がって出てくるのはわかってるから、楽しく観ていられるのが休まる探偵映画。
真魚八重子

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