Clara

愛する人のClaraのレビュー・感想・評価

愛する人(2009年製作の映画)
4.0
養子縁組。アメリカでは結構よくあり、越境してでも行われるうえに、多くの問題が発生する実に難しい仕組み。個人的には、養子縁組に伴う現実的な問題の方が印象に残った。後半になるにつれて、「母と子の間にある愛」の要素が強くなり、いいエンディングになるけれど。

女性陣が好演していた。養子によって当事者たちが抱え続ける痛み・傷・想いが伝わる。手放した人、手放された人、手放そうとする人、迎えようと心待ちにしている人…この仕組みが幸せをもたらす場合でも、必ず1度は頭を悩ませる日がくるはず。だから、こ当事者たちが抱えているものに、しっかり比重を置いて描かれていたことに好感をもった。

ルーシーが母親になりたての時、彼女の母がガツンと言い放った言葉が非常に印象的だった。そして、ルーシーの夫の発言はまぁ最低だったな。存在価値のない人間と感じるだけでなく、そんなことを言う人を選んでしまった自分への嫌悪感で、地の果てまで追いこまれるだろう。どんなに手を尽くしても一生カバーできない過ちになる、そんな発言。
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