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アンソニーのハッピー・モーテルのmanamiのレビュー・感想・評価

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ウェスアンダーソン監督の長編デビュー作。盟友、ルーク&オーウェン・ウィルソン兄弟が脚本・監督を務める、だってさ。
そんな前書きなくても充分引き込まれるね。面白い面白くないの判断よりもまず、雨後のたけのこのごとくひっきりなしに現れる変な場面と変な人に、目が離せなくなるもの。
心を病んで施設に入っていたアンソニーが退院する日に、そのアンソニーよりヤバいんじゃないかと誰しもが心配するであろう相棒ディグナンが、ヤバい計画とともに迎えに来るというヤバい話。
ヘンリー氏にそうとう心酔してる様子のディグナンといい、志願してドライバーになったボブといい、他にもとにかく変な奴しか出てこないんですけど?途中のパンイチ空手は何だったんだ?
アンソニーと恋のお相手イネスもね、燃え上がっちゃってるの分かるけど、仕事中でしょ?大丈夫?パラグアイから働きに来てるんでしょ、立場的にクビになったらマズイんじゃない?
もう頭ん中「?」だらけよー。でも不思議と、わけわからんってイラつかされるわけじゃなく、なぜか穏やかに見守れてしまう。あんなポンコツ揃いかつ不運なメンツで、よくもまああんな無謀なこと企てたもんだね。そりゃ無理ゲーでしょうがよって笑えてくるしな。大の大人が「仲直りしよう」って言い合って仲直りするのも微笑ましいしな。
唯一まともなの、アンソニーの妹グレイスだけじゃない?しかも可愛いし。なかなか辛辣だけど。あの兄貴じゃこれからも大変そうだわ、頑張れグレイス。
邦題があまりにもアレなんだけど、bottle locketって、ロケット花火のことなのね。どこを観てどう訳したらこんなタイトルになるのだろう。これ決めた人、ディグナンよりもヤバいでしょ。

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