これもまた名作。
ツヨポンとガッキーで実写化したほど。
映画として、脚本としてとにかく良く出来過ぎ。
しんのすけが天正2年にタイムワープ。
そこは戦国時代の春日の国。
しんのすけとしんのすけを追う野原一家が戦国時代で小国を営む武士達との絆を描く。
しんのすけと野原一家が同時に武家の姫が出てくる夢を見るところから始まり、裏庭で自分が書いたらしい手紙をシロが見つけて、その流れでワープ。“おまたのおじさん”と出会う。
本作のしんのすけもまた時代がどこであろうと、相手が誰であろうと自分のアイデンティティを貫く。
それが未来から変なヤツとして、受け入れられる。
その変なヤツの変な行動と、純粋な物言いが当時の身分違いの恋や負け戦など、時代を動かす。
自分がまさかそんなことに加担してるとはつゆも知らずに、いつも通りに自分の“しんのすけ道”を貫く強さに感服する。
この勇気なんだか、意地なんだか、無茶なんだか、戦国時代で無礼や粗相や迂闊な行動で一瞬で命を奪われる武士の世を渡り歩く強さがカッコいい。
“お股のおじさん”とレン姫との幼馴染の恋模様がなかなか良い。
そして、初めて観た時はこのラストに衝撃を受けた。
その結末はなかなか筋が通っていると言うかなかなか子供向けの映画にしてはタフな試練。
バカ騒ぎするしんのすけにとっても大きな試練。
野原一家が戦国時代に来たことを歴史に入り込ませながら、巧妙にその影響力を回収していく美しさ。
大人が観ても心を揺さぶられて胸打つ作品。
ちゃんと大事なことを教えてくれる。
しんのすけのブレない強さは戦乱の世ですら生き抜くための武器である。
ホント、あっぱれ。