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ジプシーのときのodyssのレビュー・感想・評価

ジプシーのとき(1989年製作の映画)
3.8
【クストリッツァ監督作の魅力】

旧ユーゴのジプシー村に住むジプシーの家族。具体的には、主人公の若者、その祖母、足の悪い妹、道楽者の叔父の4人。若者には意中の娘がいるが、貧しい若者は娘の親に受け入れられない。

たまたま村を訪れたヤクザ者のジプシーに、オレに付いてきて仕事をやれば妹を病院に入れて足を治してやるし、カネを稼いで意中の相手と結婚できるようにしてやると言われ、その気になるが・・・・
 
クストリッツァ監督の映画は、本作に限らないが、筋書きだけを紹介しても魅力は伝わらない。
動物と人間の雑居した空間、奇想天外な、しかしご都合主義的な筋の運びは、この監督ならではの色彩に染め上げられていて、それを味わい快楽に身を浸しているうちに、映画の中の世界に引き込まれてしまう。

もっとも、本作ではジプシーの若者が騙されていることに気づくのがいささか遅すぎるのが、筋書き上の難点とは言えるかも。
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