イム・グォンテク監督作品。あまり期待せずに観てみると、特撮もちゃんとしているし、お金もかかっていて迫力もあるし、思った以上に良かった。現在でも約10年前には傑作「高地戦」、数年前には「長沙里9.15」などの朝鮮戦争を題材にした韓国映画は結構あるが、1973年時点でこのクオリティに達していたのは正直驚いた。昔から朝鮮戦争を題材にした作品は得意だったんだなと改めて思った。もちろんこの作品は国策映画として作られていることは念頭に置き、すべてを鵜呑みにしてはいけないという点は留意しながら鑑賞する必要はある。この前観た北朝鮮映画「ウォルミド」よりfilmarksでの平均点が低いのは、さすがにおかしいと思った笑　ネタ度は「ウォルミド」の方が高いが、作品のクオリティとしては、「ソウル奪還〜」の足元にも及ばないのに…笑

朝鮮戦争の混乱で起きた数々の悲劇をモチーフにしたドラマ映画。
プロパガンダ映画っぽいけど朝鮮戦争はとっくに終わっている時期なので、もしかするとベトナム派兵がらみのプロパガンダだったのかな？
・スタンダードサイズ内、ビスタサイズ内、シネスコサイズ。
・フィルムの損傷が激しい。
・結果、チープなんだけど、まじめに作ってあるミニチュア特撮。
このあたりを味として楽しまなきゃやってられないような内容だった。
侵攻してくる軍隊によって旗を使い分けていたという朝鮮戦争ならではのプロットもあった。人民軍だと思って近づいたら、韓国軍で話がややこしくなる。恋人の士官に連絡してくださいとお願いすると、「そうやって指図するのかね」とか、いらぬストレス山のごとしだった。
ゆくゆく世界を席巻することになるいまの韓国映画とはくらぶべくもないけれど、骨になっている部分は、あまりかわらん気もするね。

よく寝た。