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もののけ姫のdeenityのレビュー・感想・評価

もののけ姫(1997年製作の映画)
5.0
もうこの作品が十数年前の作品だとは。色褪せることなく魅力を放ち続けている作品。間違いなくメッセージ性のこもったナンバーワンのジブリ作品。
自然と人間の共存はもちろん、その対をなす自然対人間。モロ一族とエボシ率いるたたら場連中。その間に入るアシタカとエゴで生きるジコ坊。エボシなんかも昔はひどい奴だと思っていたが、人間・たたら場の連中を生かすために戦っているのだから一概に悪にはできない。でもそのために自然が犠牲になっていく中で共存していくためにはどうすればいいのか。獅子神という生死の概念的な存在を中心に壮絶な争いをするアニメながらにしてかなりヘビーな作品。

画もさることながら、魅力的なキャラクターを引き立てる声優陣も素晴らしい。
名シーンも数多く、アシタカの扉を開けるシーンやモロとアシタカの会話はもちろん、たたら場でアシタカも手助けして板を踏むシーンなんかも不思議な魅力がある。
複雑に絡み合うテーマの根本にあるのは「生きる」こと。本作の中でも「生きてりゃ何とかなる」という言葉があるが、全くその通りである。アシタカはそれを体現する。幼い頃は怖い、難しい印象のあった作品だが、この作品の奥深さに気付かされる。
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