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もののけ姫のすのネタバレレビュー・内容・結末

もののけ姫(1997年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

なんで今まで見てこなかったんだか全然わからない。冒頭の祟り神の描写で圧倒的に引き込まれ、そこから集中力が切れることがなかった。

タイトルに「姫」とつくからには、白雪姫のような最後には王子様と結ばれる童話めいた話かと思い込んでいたが、圧倒的な日本らしさで子供向けとは無縁の容赦ない描写が印象的だった。夢も希望もないが、神はいる。それが日本。

日本アニメ界の中でも断トツで大昔の話なのに、人類永遠のテーマを扱っていて全く古くならない。むしろ女性の扱いや神への認識は現代の数歩上をゆくのが不思議だった。

何故だか他人事とは思えない。この話はお伽話でもなんでもなく、事実である気さえしてくる。シシガミ様が倒れて草木が芽吹いたラストのシーンは、創世記を見ているような感覚だった。
いまも四季の中に、碧く咲く草花のひとつひとつに、神は宿り、形を変え、存在し続けているような気がする。
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