ウディ・アレンがロベール・ブレッソン作品等に携わったギスラン・クロケの撮影で映画を撮った貴重な作品。
何故かロシアを舞台だったりウディ・アレンが19世紀なのにいつものメガネをかけていたり、アニーホール以前らしい色々とめちゃくちゃな映画になっているが、チャップリン等の時代のコメディが如きウディ・アレンの動きも相俟って非常に面白い出来の映画となっていた。
戦争と男女のいざこざを皮肉っていく描写の数々も小気味良かったが、キューブリックがバリーリンドンを撮った年にウディ・アレンがコメディ版みたいな映画を撮ったというのは面白い偶然。
死神とかカメラ目線での語りのクローズアップとかベルイマンのパロディ的なものもこの時点で多数拝めたのも面白かったが、作風のせいであまり変な映画という感慨以上は抱けないのが欠点か。