がんドレ

エル・ドラドのがんドレのレビュー・感想・評価

エル・ドラド(1966年製作の映画)
3.9
マクロードとかいう悪党がカッコ良すぎる。主人公達が巻き起こすコメディ時空に最後まで抗い、ニヒルを徹底していて良かった。

この映画はとにかく西部劇の保安官詰所を満喫できる作りになっていて、役立たずの保安官、それを助けるうるさい爺さん、留置した敵ボスを巡っての籠城、の割にはなんか裏口から普通に買い出しとか行ったりする、やたら飲まれる不味そうなコーヒー、と盛りだくさんである。

主人公の1人、コールことジョンウェインは勿論カッコ良い、カッコ良いけど60近いおじいちゃんがやる役ではない気もした。まあ西部劇に限らず昔の映画はそういうとこあるよね。
あと気になったのは、巻き込まれたイケメン、ミシシッピが唐突に持たされるレギュレーション違反なショットガン。見た目は普通のソウドオフなのに、なんか大砲みたいな威力で笑う。しかも大して役に立たないし。というかミシシッピ自体がずっと面白くて良い感じだった。

ところで西部劇でよく見かけるやべえ酔い醒ましドリンク、アレは史実なんだろうか。それとも有名な元ネタがあるんだろうか。本作ではガンパウダーまで投入する気合の入りようだったが。

それにしても、やっぱり西部劇で見る西部開拓時代の独特な倫理観は、ファンタジーとしてとても魅力的であるなと思う。国家の気配はまるでなく、町ごとに保安官がいて、人々は普通に暮らしているけど同じレイヤーに悪党もいて、殺人も理由があれば認められる絶妙なバランス。良いよな〜絶対暮らしたくはないけど。

まあタイトルの壮大なスケール感とはかけ離れて、ほとんど町(というか詰所)だけで進行するこぢんまりとすら言える映画だったけど、全く飽きさせない2時間は間違いなく良作を見たという感覚。間違いなくおもろかった。
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