浅野公喜

ステップフォード・ワイフの浅野公喜のレビュー・感想・評価

ステップフォード・ワイフ(1975年製作の映画)
3.8
2000年代にもニコール・キッドマン主演でリメイクされた「ローズマリーの赤ちゃん」のアイラ・レヴィン原作のサスペンス。

舞台はコネチカットのステップフォードという閑静な住宅街、引っ越してきたキャサリン・ロス演じる主人公を取り囲む主婦達は優しく美しく家事が好きな良妻賢母ばかりなんですが彼女らにだんだんと違和感が・・という流れで、自立した女性が台頭してきたウーマンリブな時代を快く思わない男性の願望を反映・非難するような展開が先進的で、テンポこそゆっくりなものの終盤にはやや驚きの展開が。特に気持ち悪いものが出てくるわけではなく、むしろ主婦達をはじめ光景も綺麗なんですがそこはかとなく滲み出る不気味さは、SNS中心に自分の生活やビジュアルを過剰に虚飾することで時に違和感を覚える現代にも通じるものを感じます(アプリで修正し過ぎて人間味を失ってる自撮り写真が有りますよね)。

80年には「特捜刑事マイアミ・バイス」のドン・ジョンソン主演で続編「ステップフォード・タウンの謎」、更に87年に「The Stepford Children」、96年に「The Stepford Husbands」というテレビ映画が作られているみたいなので観てみたいです。
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