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北国の帝王のcatmanのレビュー・感想・評価

北国の帝王(1973年製作の映画)
5.0
トンデモない傑作。この力強さ、これぞ映画!1930年代のアメリカ大恐慌時代、列車のタダ乗りに命を懸ける誇り高き浮浪者リー・マーヴィンと、俺の列車にタダ乗りするヤツは叩き殺す!(本当にハンマーで殴り殺しちゃう)という度を超したサディスト車掌アーネスト・ボーグナイン、この二人の男の戦いの物語。始めから終わりまで、ただもうそれだけ。最高。
主演二人の年季の入ったルックスや佇まいはそれだけで十分絵になるんだけど、とりわけボーグナインの劇画チックな 顔面力は凄まじい破壊力。もう殆ど鬼瓦。当時マーヴィンは49歳、ボーグナインは56歳。両者とも走行中の列車の上を移動したり、下に潜ったり、飛び乗ったり飛び降りたり、歳の割には身体を張ったなかなか激しいスタントを見せる。スタントを使った人間離れしたアクロバットは無く、オヤジ二人による文字通りの肉弾戦が非常にリアル。現代なら迷わずグリーンバックやCGを使うところでしょうけど、生身の闘いにこそ価値がある。
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