マチャアキ

北国の帝王のマチャアキのレビュー・感想・評価

北国の帝王(1973年製作の映画)
3.4
無賃乗車の常習犯に帝王などと、タダ乗りのゲス野郎ではないか。しかし無情の車掌シャック(アーネスト・ボーグナイン氏)の微塵の情けもない兇行や彼の鬼のような形相によって、どちらが善悪かなんて関係なく、もっとやってしま、えーとA-No.1を応援してしまう。導入はこの物語の序章として、すべてを物語っているように思える最高の演出。無賃乗車を許さずギラギラと睨みつけるシャックの隙を突き、A-No.1は無事に目的地ポートランドまで辿り着けるのだろうか。やられたらやり返す執念の激突。無骨だが迫力ある艶やかなシルエットのSLも見応えがあり、まさにこの作品の黒衣ともいえる。このSLを舞台に繰り広げる二人の血走った勝負を、広大なオレゴンの爽やかで長閑な風景が大きく大きく包み込む。単純明快、男心を駆り立てる力作。
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