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ハロー!?ゴーストのmatchypotterのレビュー・感想・評価

ハロー!?ゴースト(2010年製作の映画)
4.5
チャテヒョン、好き。
『猟奇的な彼女』、『神と共に』など。

この作品も彼がドハマりで、かなり仕上がってる。
これは絶対に面白いと思って期待して観たけど、さらにその上をいく感じ、良かった。

こういううだつが上がらないけど、他の人に振り回されながらなんだかんだとなし崩しで巻き込まれて自分のことも再発見しながら成長して他人の幸せも叶えようとしていくグズグズキャラ、ハマり過ぎ。

韓国でも、日本でも、ここまでこのキャラクターを乗りこなす人、なかなかいない。

しかも今回は“幽霊”を相手に、取り憑かれた“幽霊”の面倒を見ていくハメに。

寂しい人生を送ってきて、悪いこともしてないのに、不運の事故に遭い九死に一生を得る。
その死に目に遭った体験で、まさかの“幽霊”が見える体質になってしまう。

男2人と女1人と子供1人。
4人の“ゴースト”が彼に取り憑いて離れなくなる。

この機会に彼は死を望んでいて、早く死にたかったはずなのに、死人に取り憑かれたせいで死ねないことになり、4人の“生前の希望”を叶える騒動に巻き込まれる。

チャテヒョンの“十八番”のような展開。
もう、これは、彼のための映画ではなかろうか。
最高、面白い。

このキャラクターがそもそもでうだつが上がらないから、頼まれて希望を叶えようとしたところで簡単に叶えられないし、ただただ無茶振りに振り回されるだけ。

彼は彼でやるからにはどんどん真剣になっていく。だけども、真剣になったからと言ってスラスラとことが進まない。

だから、彼に取り憑いた幽霊たちも彼の人柄に惹かれながら、頼んだ方の彼らが、チャテヒョンをサポートしながら、慰めながら、一緒に乗り越えていく。

“ダメダメな人間”に取り憑いた“ダメダメな幽霊”たちの前途多難な希望を叶えようとする道のり。

何にせよ、完璧にできないからこそ彼らなりの意地と味が出る。

こんな不思議な体験を経ていくうちに、自分では体験しようとも思ってなかったことを体験させられ、無理やり付き合わされてるうちに何かが見えてくる。

幽霊たちもそんな彼を見て、未練が別のモノに変わっていく。

彼もできなかったことができるようになったり、やりたくもなかったことが楽しいと思えたり。
傍迷惑でうざったい幽霊たちだけど、何か家族や親友のような。

この“憑依”されるルールというか、その様子がとても良い。
もちろん他人には見えないけど、4人の中の誰かに近寄られて憑依されるとその幽霊の動きと連動する。

幽霊が喋ると彼もまたそれを喋る。
彼を媒介として、他の人に伝わる幽霊たちの言動。

それが、人に伝わったり、伝わらなかったり。
そして、彼自身にも何かが伝わったり。
その過程でとある女性と出会ったりして。それを“幽霊”達が“例のルール”で手を差し伸べたり。

早く死にたいがためにうざったい“幽霊”に付き合って、今まで感じたことのなかった生きる楽しさを知る、観たいな。

この最高の皮肉を、皆んなでグズグズに、オタオタしながら、寄せ集めの家族のように肩寄せ合って乗り越えていく。

後半の彼女がやってきての食事を囲んでの“団欒”のシーンとか、みんなの人柄が滲み出てて本当に素敵。

そこからのクライマックス。
“のり巻きの具のセリ”の件から、畳み掛ける真実の物語、これはヤバい。そう来るかよ、、、嗚咽。一気に涙腺崩壊。

なんて、ホッコリする映画なのか。チャテヒョン、最高。
泣けるんだけど、彼にかかると泣くことよりも優しさに包まれることにフフフとなって安らぐ感じ。

人の死や未練から多くを学び、大切なことに気づくうだつの上がらないどうしようもない青年。
頼りなさ過ぎて応援したくなってるうちに共感というか、共鳴させられてる。素敵な役者だ。

※24年3月、映画オススメブログ、始めました。
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作品単発のレビューはここでやっているので、こちらは企画記事メインに挑戦したいと思います。
皆さん、時間がある時にでも見に来てください。
(まだ始めたばかりでお粗末が過ぎるブログですが)
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