🐻奇才ヴェルナー・ヘルツォーク監督による「自称・自然愛好家」=「超ナルシスト」ことティモシー・トレッドウェルに焦点を当てた戦慄のドキュメンタリー映画。熊が好きすぎて熊に食べられてしまった男の顛末を描く。かなりの異色作。
🐻人間社会からも疎まれ、自然界からも疎まれるティモシーくんの一貫した「俺様ぶり」が気持ち悪い。アメリカの広大な大自然と自分をほぼ同一視してる辺りの尊大バカぶりは同監督の『アギーレ・神の怒り』を彷彿とさせた。
🐻しかも本人が熊にぶち殺された後で、女友達まで犠牲になってしまう。😱
コイツは許せねー❗️(怒) しかし、こんな醜悪な主人公を優しく見守るかのように描いているヘルツォーク監督って一体…。絶対悪を肯定してるのかね?
🐻「とりあえず、はた迷惑なバカはとっとと死んでください」みたいな突っぱねたラストが凄いが、これが人間の本性なのかと思うと身の毛がよだつ。とことん歪んだ人間の性(サガ)が全編に渡りタップリ描かれている。黒澤明の『羅生門』のようにティモシーくんの周りに存在した人々の証言によって「禁断の事実」が解き明かされる構成も実に優れておりました。
🐻熊ちゃん。自然の熊ちゃん。その熊ちゃんを邪悪な狩猟者から守ろうと躍起になるティモシーくんの独善的スタンスに吐き気を覚える問題作である。ヘルツォークならではの冷徹な視点が冴える一作だ。必見。