Toineの感想文

吸血鬼ノスフェラトゥのToineの感想文のレビュー・感想・評価

吸血鬼ノスフェラトゥ(1922年製作の映画)
4.3
【ヴァンパイア映画はここから始まった】
ブラム・ストーカーの小説「吸血鬼ドラキュラ」の非公式サイレント映画。

ゴシックホラーの古典名作なのですが、おどろおどろしくないポップな作風です。
完璧な構図や影を活用した恐怖演出が見所。

オルロック伯爵のビジュアルが原作に忠実でとても好みでございます。
何度鑑賞しても愛くるしいお姿...ドキドキ...

不動産契約を結びに訪れたジョナサン氏が誤って切ってしまった指の血を見て覚醒する伯爵。
自宅古城の棺の中で目をかっ開いたまま熟睡する伯爵。
不動産契約書にサイン後、自ら荷造りし棺に入ってお引越しする伯爵。
ドイツに到着し新居まで愛用の棺を抱えて徒歩移動する伯爵。
美女に見惚れてうっかり朝日を浴びちゃったおっちょこちょいな伯爵。

お茶目なキャラクターで可愛すぎる!

船で移動する吸血鬼が疫病の蔓延の暗喩として描かれて、現代のパンデミックと通じるものを感じます。

当時も今も人類は病原菌に抗えない。
時代が変わっても恐ろしいものは変わらない。
そして恐ろしいものは普遍に魅力的。