くぼたえいが

シュレックのくぼたえいがのネタバレレビュー・内容・結末

シュレック(2001年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

確か公開されたのは小学生の頃で、リアルタイムでは観ていなかった。当時「オレはピクサー派なんだ! ドリームワークスの映画なんて観てたまるかよ!」と謎に尖り、スルーしていたのだ。しょうもねー。その後、テレビで放送されても何となくずっと観ておらず、今年日本で公開された『長ぐつを履いたネコと9つの命』の評判が良かったため、いよいよ「どこかで必ず観よう!」と誓い、今に至ったわけだ。お……遅過ぎる!笑

当たり前だけど、今のアニメーション技術と比べると昔の作品感は強い。ただ、そうは言ってもストーリーが非常にまとまっているので面白く観られた。物語の序盤こそ、シュレックの偏屈な態度に嫌悪感も抱くが、観れば観るほどその感じが愛おしくなる。おそらくそう思える要因は、本作のヴィランのファークアード卿との対比にある。低身長をコンプレックスだと思い、そこをとことんひた隠しにするファークアード卿に対し、醜い見た目をコンプレックスと認めた上で振る舞うシュレックの生き様に精神的な憧れを覚える。昨今、ルッキズムと言う言葉をよく耳にするけど、一足先に人々が自分を受け入れどう生きるべきかを問うた作品に感じた。醜いシュレック自身もファークアード卿の低身長を笑う点は多少気になるけどね。でも、シュレックがあれを笑うからこそ、自分のコンプレックスの裏返しで他人も攻撃してしまう人間らしさに繋がるのかもしれないな〜。

自分は好きな本を聞かれた時に、いつも芥川龍之介の『鼻』と答えている。周りからの嘲笑に対し、身の振る舞いの正解を叩き出している気がするから。そんな『鼻』のように本作も一つの答えを出している作品の一つだと感じた。あと、すげーどうでもいいけど、大人になってゲップとか屁とかドロドロのきったねー描写を見ると、アニメでも「ウッ」ってなるもんですね〜。
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