とにかく全てのシーンが、圧倒的に美しい。
そして、美しく、厳かで、アンバランスで、不気味で。生きること、ひとと生き物と自然と、命のそのものを裸にしたような作品。
その環境に生きることを真摯に見つめ抱きしめている製作者の姿勢もまた、美しく感じる。
私の中では黒澤明の『どん底』と同じ引き出しに入れた。この人ならと思える人に、恐々と伝える「好きな映画リスト」だ。万人受けするものではないけれど、この映画を良いと感じられる人とは、仲良くなれそうな気がする。
80年代初めのこの作品を、今まで知らなかったことがちょっと悔しい。20代くらいに出会いたかったな。