真っ黒こげ太郎

殺人遊園地の真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

殺人遊園地(2006年製作の映画)
3.6
ジェイソン、レザーフェイス、マイケル・マイヤーズを超える殺人鬼”ダークライドマン”が大暴れ!!!

だいたいこういう謳い文句って拡張表現だよな。w




アズベリーパーク遊園地のホラーアトラクション「ダークライド」で殺人事件が発生!!!
犯人は逮捕され、ダークライドは閉鎖される。

それから約10年後、ひっそりと復活したダークライド。
そこに遊びに来たおバカな若者グループが忍び込み、ダークライド内にコッソリ宿泊する。

悪ふざけやらS○EXやら麻薬やらで楽しむ若者達だったが、何時の間にか建物内にカギが掛かって出られなくなってしまった。

更に若者達が、何者かの手によって次々と殺されてゆく!!!
かつて殺人事件を起こして精神病院に入れられていた殺人鬼、”ダークライドマン”が病院を脱走し、ダークライドに戻ってきていたのだ!!!




ホラーアトラクションに忍び込んだ若者達が殺人鬼に襲われるスラッシャー・ホラー。

恐らくトビー・フーパー監督の「ファンハウス/惨劇の館」を参考にしたと思われる、遊園地のお化け屋敷内で殺人鬼が殺戮を繰り広げるスラッシャー・ホラー映画。
前情報でグロがあると聞き、久しぶりに血みどろなスラッシャー映画が見たくなったのでレンタル。


上記のあらすじの時点でもそうだが、実際の本編ももうありきたり度マックスな内容。
おバカな若者達が施設に忍び込んで大人のスポーツやヤクに興じたり、殺人鬼が精神病院から逃げ出したり、一緒に行動したらいいのに別々に行動したり…、もう手垢付きまくりな内容やな。

そんな本作だが、ぶっちゃけ滅茶苦茶スローペースで、テンポは滅茶苦茶悪い!!!
冒頭と病院脱走シーンで殺人鬼の殺しは拝めるはするのだが、肝心の若者達が施設に入って殺人鬼に襲われるまでに1時間近く掛かる。遅すぎるだろ!!!!

殺人鬼が襲ってきて若者達が逃げる展開になっても、ロケ地の関係からか同じ所をうろうろしているようにしか見えないし、殺人鬼相手に反撃する展開は唐突感が否めない。
ラストではまさかの急展開が待っているが、登場人物のキャラが薄い所為で何の感傷も湧かぬ。


殺人鬼もそれなりにスプラッタな殺し方を披露してくれてはいるが、何故かグロく死ぬのは脇役ばかりで主要キャラは画面外でアッサリ殺されてしまう。そこは見せろや!!!
(因みに特典映像では、削除されたグロシーンを見ることが出来る。
ただでさえ少ないグロシーンを削って何の意味があったのだろうか)

殺人鬼は人形の不気味なマスクを被っているが、これといった特徴も無いので、ハッキリ言って無個性も甚だしい。
(序盤で見せる素顔が「0:34 レイジ34フン」の殺人鬼に似てた。)

ハッキリ言って若者達も殺人鬼も無個性で、展開も遅いので盛り上がりきらない出来だった。
これじゃ有象無象のスラッシャーホラー界隈に埋もれてしまっても仕方ないだろうな。


一応褒められる点はあって、スプラッターな見せ場はしっかりと展開されている。
グロ度数は普通ぐらいだが、ハラワタの出た死体が出てきたり、首が千切れたり、頭を縦斬りにされたりと幾つかの殺害シーンは頑張ってました。
特に頭縦斬りのシーンはかなりねっとりと描かれており、ここだけでも「まぁレンタル代の元は取れたかな」と思えた。(安すぎる客)

後、お化け屋敷内の不気味な雰囲気もそれなりに演出出来ていた所はよかったかな。



スラッシャーホラーとして間違った事はしてないし、雰囲気も悪くない、グロの見せ場もあるので見るに堪えない物体という訳でもないが、登場人物は無個性だしテンポは遅いしこれといった強みも無いので、結局は可もなく不可も無い出来で、悪く言えば凡作だろうか。

一応自分はお目当てのグロは拝めたのでそれなりの点数ですが、この手のジャンルが死ぬほど好きな人じゃないとオススメは出来ないと思います。